黒く、暗い空気で満たされる戦場。
細い月が闇夜をほのかに照らし、静寂をもたらす。
「出かけてくる。」
吐き捨てるように言い小十郎の制止を振り切って、陣営を後にした。
帯刀は6本。
鎧はそのままで、目立つ兜は外し、眼帯も外す。
獣道をしばらく進み、何の目印も無い場所で馬を降りると
木の幹に背を預けて空を見上げた。
「HA・・・。嫌な月だな。」
細長くて頼りないが、静寂でいて柔らかな光で
何もかも洗い流すかのような月の光に身をさらす。
どのくらい時が経ったか。
現れたのは、疎ましくさえ感じる知りすぎた気配。
五感よりも先に、無意識な身体がその気配に反応する。
あがいてもどうにもならない痛みがジワジワと押し寄せてくる。
「・・・・・・政宗殿・・・。」
「・・・奥州に来いよ、幸村。」
「・・・それは出来ないでござる・・・。」
幾度となく繰り返した問答。
目を伏せる幸村を鋭く睨む。
「凶暴な顔をしているでござるな・・・。」
「・・・お前は泣きそうな顔をしてるな。」
「・・・・・・。」
黙りこくる幸村は、月明かりに照らされて儚く光る。
「HA、ここは戦場だからな。」
お前が生き残るのか、俺が生き残るのか。
「明日になれば、俺がお前を殺してやるよ。」
他のヤツにヤられるくらいなら、この手でその紅い身体を引き裂いてやる。
そして一生お前の影に縛られて生き抜いてやるさ。
それとも・・・。
お前に殺されるのなら、それもいい。
いっそ今この狂おしいほどに静寂な夜にまぎれて
愛しているのだと、確信を持てるままに
今ここで
その手で俺を。
そうして俺はお前の心に巣食う悪魔になってやる。
その生を遂げるまで、苦しめばいい。
「・・・・・・殺させはせぬ・・・。この幸村も、政宗殿も・・・。」
「・・・ふん。キレイゴトだな。」
眼帯を外した右目に触れてきた幸村の手はひんやりとしていた。
明日には殺すか殺されるか。
この、心の中で凶悪に暴れる衝動を、どうにかしてくれ。
気がおかしくなりそうなほどに、甘くて狂おしい。
血塗られた逢瀬でも、今は ただ 愛おしい。
…なんちゃって!!(真似っ子/笑)
マイハニーひこさんから頂いた伊達絵に文を付けてみました!!
私にしては珍しく、暗めな文章になりました・・・!
(こういうの書けるとは思ってなかった!新境地!笑)
ていうか、ついにやっちゃったネ! BASARAネタ!!笑
ていうか、ミツカッチャッター!笑
何の予告も報告もしてないのに!伊達真センサーをお持ちの貴方に感服☆
このSSをひこさんに送りつけたら、B2やってないのに?!と言われた・・・。
え、ナニ、B2ってそんなに伊達真クサイの?!(興奮)
しかも狂気的?!(悶)
・・・・・・今週末あたり、B2ゲットしてる未来の自分が見えるよ・・・(遠い目)
なので、せっかくなので、買う前にアップしちゃおう、と・・・笑
(後で下げたくなってもしらねーぞ!って心の中の殿が呟いたがまあいい・・・笑)
政宗って、小さい時から結構自分を
堪えてきた人なんじゃないかなぁと思うのですよ。
何不自由なく与えられてきた代わりに、自由が無かった、と。
だから自分に対してはとても自虐的な人なんじゃないのかな、と。
別に明日死んでもいいや、て思ってるみたいな。
生まれ変わったら鳥になりたいとか言ってるしね。
まぁそんなところで。
最後に、絵を下さったひこさんに陳謝!大好きだー!(叫)
ココまでお読みいただきありがとうございました!
絵とデザイン:柚木 ひこ 様
へっぽこSSと行間(笑):紅月 渉
2006.8.16